|はじめに|

有毒生物の研究は各方面から重視されてきた.それらのうち,有毒魚類は格好の研究材料である.有毒魚類の有毒成分の一部や単離精製され,構造がけっていされるとともに,薬理作用や活性が調べられている.さらに,化学構造と薬理作用との相関などを基に,分離された毒が医薬等として役立てられている例もある.このように有毒生物のあるものは,資源として開発される途が開かれている.これに伴い,有毒魚類の分類は研究課題となっている.

 魚類は食用として有用であるばかりでなく,あるものは貴重な医薬ともなる.中国の薬局方および薬学雑誌に掲載されている魚類由来の薬物は多い.しかし医薬業界や民間で薬として処方された魚種は前記のものよりもはるかに多い.動物由来の生薬の積極的な発見や,その用途促進のために,魚類由来の民間薬の処方を広く収集する必要がある.その際,魚類を鑑定して,この薬資源宝庫を豊かに保ちたい.

 漁業の発展に伴って,新しい魚類資源が発見され,しばしば有毒魚類に遭遇する.水産学研究に携わる学兄たちは,時には刺毒肴に刺され,生命にかかわることもあるので,有毒魚類に関する知識を普及させる必要がある.

漁業および科学研究の発展をめざすために,著者らは数年来中国の各地に行き,魚類を採集し鑑定した.さらに漁場および漁村へ行き,漁民,医師.並びに関連医療機関を訪ね有毒および有用魚類についての資料,それに民間薬の処方を提供してもらい国の内外の有毒魚類および薬用魚類の文献おも参照して,これら一才をまとめて本書を編集した.(以下略)

 
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