【八】なぁ、熊さんよ、俺、歩き疲れちゃったよ。あすこの洒落た喫茶店で、ちょっと休んでいかないか?
【熊】そうしよう、八つぁん。仕事もこなしたことだし、コーヒーの一杯ぐらい飲んでも、バチは当たらないだろうよ。
【女の子】いらっしゃいませ!
【八】おいおい、熊さん、この喫茶店、何だか様子が変だぞ。テーブルの上には、パソコンがいっぱい並んでいるし ……。
【熊】ウン、みんな、コーヒーを飲みながら、楽しそうにパソコンを使っているな。
こりゃ、喫茶店じゃないみたいだなぁ。
【八】ほんとだ、俺達、入るところを間違えたんだ!
【女の子】いえ、お客さま、お間違えになったのではなくて、当店は、インターネット喫茶でございます。1時間700円で、お飲物付きでインターネットを自由にお使い頂けます。もし、使い方が分からなければ、操作方法もお教えいたします。勿論、喫茶だけのご利用も自由でございます。こちらのパソコンの置いてない席が、喫茶コーナーになっております。
【熊】そのー、俺達は、フツーの方でな。2人ともコーヒーだけでいいんだ。
【女の子】かしこまりました。少々、お待ち下さいませ。
【熊】あー、汗かいちゃったよ。へぇ、これが噂のインターネット喫茶か。さすが、みんな、エリートって感じだなぁ。俺達とは、世界が違う連中なんだ。
【八】熊さん、何か、ビリビリ来ないかい?
【熊】ビリビリって、感電でもしたのかい? ここにコンセントなんか、無いぜ。
【八】そのビリビリじゃなくてさ、予感ってヤツよ。我が身に振りかかる予感よ。
さて、感の鋭い八つぁんは、何を感じたのでしょうか。もしかしたら、貴方も同じでは? でも心配は要りません。インターネットは決して難しくないのですから。とは言っても、口だけでは、説得力はなさそうですね。それでは、これならどうでしょう、この次の頁から始まる〔その後の八つぁん・熊さん〕の話を読んでから、難しいか・どうかを決めるというのは?
今井 恒雄 著 |