食品加工技術概論

食品加工技術概論

食品製造の意義と食品加工技術の基礎

著者 高野 克己
竹中 哲夫
ジャンル 食品学 > 食品化学・食品加工
出版年月日 2008/11/14
ISBN 9784769910886
判型・ページ数 B6・162ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり

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食品加工技術は、様々なニーズに応え、日々進化している。本書では、食品加工の基礎となる理論から、最新の加工技術までを2色刷りでコラムなどを設け平易に解説。内容は食品製造の意義と位置づけ、食品の変質、保蔵・加工の原理、各種食品の加工、品質規格と表示、新しい加工食品と技術、主な食品の製造工程。これから食品加工に携わる方の必携書。


はじめに

 我々の身の回りには,様々な食品が溢れている.しかも,食品メーカーは消費者や流通のニーズに応えるため,毎年数多くの商品を開発し,改善を加えている.その結果,スーパーマーケットやコンビニエンストアー等の商品棚には,毎月のように新商品が所狭と並ぶことになる.消費者は食品の購入に当たり,価格,美味しさ,量,便利さ,健康機能,安心及び信頼等様々な要因を総合的に判断している.また,その判断理由は年齢,性別および所得等の購入者の立場や季節,天候や気温によって変化する.

 食品作りやその販売は,単に食を供給するだけでなく,これらの様々なニーズや状況を理解し,食品開発や販売の戦略を立てなければならない.さらに,食の原料を生産する農業,食品メーカー,食品流通企業は協働して,食に対するその時代ニーズを満足させると共に,消費者に対し食や食品に関する正しい情報を提供し,消費者との信頼関係を構築することが求められている.まさに,食品産業は知識集約型の産業と言えるだろう.

 本書は,将来の人類に健康的な食生活を提供する農学,栄養学分野の大学生をはじめ,食品の開発,販売,教育に携わる人たちに,食づくりの基礎となる知識,先人達が英知を傾け工夫を凝らして完成させた食品加工技術と心を伝えることを目的にまとめた.執筆には,大学で食品に関する科学,技術や流通,安全に関して,研究し教鞭と取っている現職の教員が担当している.食品の加工に関する最新の情報を織り交ぜながら,知っておかなければならない基礎に重点を置いた.科学技術の革新が急速に進む現在,最新の知識もすぐに古くなる.最新の科学技術も先人達が築き上げた延長上に成り立っている.まさに温故知新,最新知識を理解するためには基本を知ることが重要である.

 「食」は人の健康,すなわち人の幸せな生活を築くためにある.この言葉を,全ての食に関する職業をつく者は,肝に銘じなければならない.また,食を正しく理解するためには,その源が生物体であること,命とそれを育む環境が大切であることを理解する必要がある.さらに,食品の原料の生物は化学物質で構成され,その化学物資によって人は命と体を維持していること,その化学物質の摂取量は過少でも過大でも,栄養失調,栄養過多等の問題が発生すること,食品が変質や腐敗すること等,基本中の基本であるが忘れてはならないことである.

 食品づくりに関する科学技術を理解するためには,生物学,化学,生物化学の基本的知識は欠くことができない.本書は,これらの知識についても配慮して執筆,編集を進めたが,ページ数の制約から基本的な記述に留めたことをお詫びしたい.執筆者一同,本書の内容だけで満足せず,関連の知識にも興味を持って学ぶことを大いに期待する.

はじめに(高野克己)
1章 食品製造の意義と位置づけ(高野克己)
1・1 食品と健康
1・2 と食料の確保
1・3 食品の保存法の発見
1・4 缶詰と微生物~二人のフランス人の業績~
1・5 保存技術の開発
1・6 日本の食品製造技術の進歩
1・7 食品行政の変化

2章 食品の変質(竹中哲夫)
2・1 微生物による腐敗・変敗
 2・1・1 腐敗微生物
 2・1・2 微生物の増殖と環境要因
 2・1・3 腐敗による食品の劣化
2・2 植物の生理作用による品質低下
 2・2・1 呼吸と蒸散
 2・2・2 果実の追熟
2・3 酵素作用
 2・3・1 食品の劣化に関係する酵素
2・4 食品の加工:貯蔵による変化
 2・4・1 タンパク質の変性 
 2・4・2 デンプンの糊化・老化
2・5 脂質の酸化
 2・5・1 自動酸化 
 2・5・2 光増感反応
 2・5・3 酵素による酸化
 2・5・4 熱酸化
2・6 食品成分の物理的変化
 2・6・1 ハチミツの結晶化
 2・6・2 香の逸散
 2・6・3 チョコレートのブルーム現象
2・7 害虫
 2・7・1 貯蔵穀物害虫による貯蔵穀物の被害
 2・7・2 害虫被害の源泉と被害の伝播

3章 保蔵・加工の原理
3・1 温度の制御による方法(井筒 雅)
 3・1・1 温度帯 
 3・1・2 低温障害
 3・1・3 予冷
 3・1・4 冷蔵・冷凍
3・2 殺菌の制御による方法
 3・2・1 加熱による殺菌(井筒 雅) 
 3・2・2 物理的制御法(川嶋浩二)
3・3 水分の制御による方法(筒井知己)
 3・3・1 乾燥 
 3・3・2 濃縮 
 3・3・3 塩蔵 
 3・3・4 糖蔵
3・4 pHの制御による方法(筒井知己)
 3・4・1 各種食品のpHと有機酸による微生物の制御 
 3・4・2 酢漬け食品と有機酸発酵による加工食品
 3・4・3 pHがアルカリ性の食品
3・5 化学的制御による方法(竹永章生)
 3・5・1 食品添加物 
 3・5・2 薬剤殺菌 
 3・5・3 品質保持剤
 3・5・4 害虫防除 
 3・5・5 エチレン除去剤
3・6 ガス環境の制御による方法(大久長範)
 3・6・1 CA貯蔵
 3・6・2 MA包装
 3・6・3 脱酸素剤
 3・6・4 ガス置換
 3・6・5 減圧貯蔵,真空包装
3・7 包装の制御による方法(大久長範)
 3・7・1 個装,外装
 3・7・2 食品包装材の種類と特性
 3・7・3 ガラス 
 3・7・4 金属
 3・7・5 紙
 3・7・6 プラスチック包装材料
 3・7・7 フィルムを用いた包装 
 3・7・8 ラミネートフィルム
 3・7・9 包装のリサイクルについて 
 3・7・10 食品包装材のまとめ

4章 食品の加工 各論
4・1 穀類(高野克己)
 4・1・1 米 
 4・1・2 小麦 
 4・1・3 その他の穀類 
 4・1・4 デンプン
4・2 豆類とその加工品(竹中哲夫)
 4・2・1 豆類の外観的特性 
 4・2・2 大豆の成分 
 4・2・3 大豆の用途
 4・2・4 大豆の加工 
 4・2・5 大豆タンパク製品
4・3 油脂(高野克己)
 4・3・1 油脂の性状と利用
 4・3・2 採油と精製
 4・3・3 油脂の改質
 4・3・4 食用油脂の加工
 4・3・5 主要な油脂の性状
4・4 野菜・果実(内野昌孝)
 4・4・1 トマト加工品 
 4・4・2 漬物 
 4・4・3 果実飲料
 4・4・4 ジャム 
 4・4・5 果実・野菜の缶ビン詰 
 4・4・6 果実・野菜の冷凍品
 4・4・8 果実・野菜の乾燥品 
 4・4・9 その他
4・5 乳・乳製品(井筒 雅)
 4・5・1 乳の化学 
 4・5・2 飲用乳 
 4・5・3 発酵乳 
 4・5・4 チーズ
 4・5・5 クリーム
 4・5・6 アイスクリーム 
 4・5・7 バター
 4・5・8 粉乳
4・6 鶏卵加工品(鈴木敏郎)
 4・6・1 卵の品質検査 
 4・6・2 卵の一次加工 
 4・6・3 卵の2次加工品
4・7 食肉とその加工品(鈴木敏郎)
 4・7・1 筋肉から食肉への変化 
 4・7・2 肉製品製造法
 4・7・3 肉色の変化と固定
4・8 水産加工品(永井 毅)
 4・8・1 水産物 
 4・8・2 乾燥品 
 4・8・3 塩蔵品
 4・8・4 佃煮
 4・8・5 調味加工品 
 4・8・6 かまぼこ 
 4・8・7 燻製
 4・8・8 水産漬け物 
 4・8・9 塩辛類 
 4・8・10 缶詰
 4・8・11 レトルト食品
 4・8・12 節類 
 4・8・13 海藻加工品
 4・8・14 魚卵加工品
 4・8・15 魚醤油・エキス製品
 4・8・16 冷凍食品
4・9 発酵食品とアルコール飲料(内野昌孝)
 4・9・1 発酵食品の特性 
 4・9・2 発酵食品各論
 4・9・3 アルコール飲料の製造の概要
 4・9・4 アルコール各論
4・10 甘味料・調味料(菊池修平)
 4・10・1 甘味料 
 4・10・2 調味料
4・11 お茶・コーヒー等(菊池修平)
 4・11・1 茶 
 4・11・2 コーヒー 
 4・11・3 チョコレート・ココア
 4・11・4 清涼飲料
5章 品質規格と表示(池戸重信)
5・1 食品の品質・衛生管理と規格・基準制度
 5・1・1 変わる食と人との関わり 
 5・1・2 フードチェーン全体としての食品安全・信頼確保
 5・1・3 安全・安心対策は義務から任意へ 
 5・1・4 HACCP
 5・1・5 GAP 
 5・1・6 ISO 22000
 5・1・7 食品トレーサビリティ
 5・1・8 わが国における食品安全性確保関係の法体系
5・2 食品表示に関する制度
 5・2・1 食品表示に関する法体系と経緯
 5・2・2 生鮮食品の表示
 5・2・3 加工食品の表示 
 5・2・4 栄養成分表示 
 5・2・5 アレルギー表示
 5・2・6 有機食品の表示 
 5・2・7 遺伝子組み換え食品の表示
5・3 JASマーク制度

6章 新しい加工食品と技術(鈴木 功・鈴木公一・陶 慧)
6・1 新しい食品加工と技術の動向
6・2 新しい加熱技術
 6・2・1 内部加熱型 
 6・2・2 外部加熱型
6・3 新しい殺菌技術
 6・3・1 圧力による殺菌 
 6・3・2 二酸化炭素による殺菌
 6・3・3 電磁波による殺菌 
 6・3・4 新しい科学的殺菌 
 6・3・5 凍結殺菌
6・4 新しい濃縮技術
6・5 新しい冷凍技術
6・6 環境への取り組み

7章 主な食品の製造工程(筒井知己)
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