オリオン星雲

星の生まれるところ

オリオン星雲

星のゆりかご―オリオン星雲の全貌に迫る

著者 C・ロバート・オデール
土井 ひとみ
土井 隆雄
ジャンル 天文学 > はじめての天文学
出版年月日 2011/09/30
ISBN 9784769912613
判型・ページ数 A5・200ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

長年オリオン星雲の研究に携わってきた著者がその謎に迫る。日本語版のために新たな秘蔵写真を掲載し、今われわれが知り得るオリオン星雲の全貌を堪能できる。また、天文学の基礎・歴史、望遠鏡の変遷を紹介し天文初学者にも配慮。ハッブル宇宙望遠鏡建設時のプロジェクト・サイエンティストだったからこそ語れる内輪話も楽しめる。


はじめに

 遠い山の上で見る夜空ほど美しいものはない.とりわけオリオン座が支配する冬の空は格別だ.冬の星座はたくさんの物語にあふれているし,それになにより,そこには夜空でもっとも有名な天体の1つ,オリオン星雲があるのだから.

 60年以上も前,私はアマチュア天文家としてオリオンを見ていた.望遠鏡は,最初は部品を組みたてて作り,そのうち全くのゼロから自分で全部作ったものもある.そうやって望遠鏡と観測機器を作ることに人生を費やしてきた.だが望遠鏡や観測装置といったハードウェアは,宇宙の仕組みを深く学ぶための手段にすぎない.最初からオリオン星雲に魅せられていた私は,新しい優れた装置が開発されるたびに,当然のようにオリオンを狙った.オリオンの剣の中で光り輝く雲を調べるために使った,あの最初の小さな望遠鏡は,やがて世界最強の望遠鏡,ハワイのケック望遠鏡や,ハッブル宇宙望遠鏡へと移っていった.オリオン星雲は,いつだって新しい望遠鏡のために新しい発見を準備して私を待っていてくれた.

 本書の中で私は,天文学に興味をもっているけれど専門家ではない読者に,オリオン星雲について現在までにわかっていることを語りたいと思っている.だが,ただ美しいものとしてだけではなく,オリオン星雲の真の価値を理解するためには,ある程度の基本的な知識は必要になってくる.それは第1~7章と第9章で説明する.人類の歴史の上で夜空がどのようにとらえられ,理解されてきたかということを, 先駆的な天文学者や天体物理学者の革命的考え方や,その考え方がどのように改良されてきたかということと関連づけて,簡単に説明していく.だがオリオン星雲という主題からはずれないようにするつもりだ.

 ハッブル宇宙望遠鏡のプロジェクト・サイエンティストとして,世界でも最も強力な望遠鏡を作り上げたことで,私は専門分野における先祖とでも呼ぶべき人たちとの間に,深いつながりを感じている.第10章で,ハッブル宇宙望遠鏡がどうのようにして作られたかに関して,打ち上げ後に発見された欠陥がなぜ起こったかということも含めて,内輪の話を暴露しよう.第11章では,この革命的な望遠鏡が明らかにしてくれたオリオン星雲の新しい姿をお見せする.

 いうまでもなく,優れた望遠鏡を使えばそれだけ深く天体のことを理解できるようになる.オリオン星雲はただ単に美しいというだけではない,太陽や地球と同じような星や惑星がたくさん生まれてくる,太陽系から一番近い星のゆりかごなのだ.オリオン星雲の現在の姿を知るということは,50 億年前の私たちの姿を見ていることにほかならないのだ. (後略)

日本語版によせて
『オリオン星雲』によせて
まえがき

第1章 狩人を狩る

第2章 宇宙の姿

第3章 ヘンリー・ドレイパーと写真革命
 写真の発明
 オリオン星雲の最初の写真
 写真の功績

第4章 天文学者の道具箱
 科学的方法
 光学望遠鏡
 光をどのように使うのか?
 検出器
 宇宙に周波数をあわせる
 手に望遠鏡ダコのない天文学者

第5章 快晴の夜の不透明な空
 高エネルギー放射を遮るバリア
 低エネルギー放射を遮るバリア
 大気の窓
 赤外域と紫外域にじわじわと進んでいく
 空の上からのすばらしい眺め

第6章 星はなぜ星なのだろう?
 巨大な数字をみてみよう
 まずは重力から
 大気がそこにある理由
 星をひとつにつなぐもの
 星を支えるもの
 燃料を燃やし尽くしたらどうなるか?

第7章 ベングト・ストレームグレンの球体
 バーナード,バッブル,銀河系内星雲
 銀河系内星雲の2つのタイプ
 原子の構造
 光を吸収してイオンを作る
 イオンを原子に戻す
 ネブリウムの秘密を解き明かす
 ベングト・ストレームグレンがすべてをひとつにまとめる

第8章 冒険者たちは帆を揚げる
 パロマー天文台からの初期の観測結果
 ストレームグレン星雲モデルの周転円
 球ではなく,面だった
 オリオン星雲の三次元モデルを作る

第9章 星はどこからきたの?
 牛の内部の状態
 冷たい塊を,熱い星にかえる
 回転によって,ますます複雑さが増す
 恒星,褐色矮星,惑星
 小さい星の数,大きい星の数

第10章 ハッブル宇宙望遠鏡
 晴れ上がった空でも十分でない
 大気の撹乱をだしぬく
 ずっと以前からあった宇宙望遠鏡の構想
 ハッブル建設時の内輪話
 つまずき

第11章 オリオンの真の姿
 ハッブル宇宙望遠鏡が発見したこと

第12章 オリオン星雲の中で何が起こっているか?
 一体どれくらい前からこうなっているのか
 褐色矮星と流浪惑星
 オリオン領域,そこは隣人の多い大都会

第13章 地球外生命は存在するか?
 他の星を回る惑星
 オリオンの中での惑星形成
 惑星が生まれる可能性
 知的生命体はいるだろうか?

第14章 気まぐれな科学の女神をだしぬく
 太陽系のモデル
 オリオン星雲のモデル

訳者あとがき
索引

ご注文

2,500円+税

書店で購入

カートに入れる

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

同じジャンルの商品

おすすめ書籍

お知らせ

一覧