宇宙プラズマ物理学

宇宙プラズマ物理学

プラズマ研究に必要な内容をまとめた参考書

著者 桜井 邦朋
ジャンル 天文学 > 天文物理学・宇宙物理学
出版年月日 2012/09/15
ISBN 9784769912866
判型・ページ数 A5・164ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり

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宇宙全体に広がっているプラズマ。その多彩な物理現象を、プラズマ物理学の理論と方法をもとにわかりやすく解説。磁化プラズマの研究に必要不可欠な内容を平易にコンパクトに纏めた。宇宙プラズマを学ぼうとする大学生、大学院生の方の参考書として最適。未来のエネルギーとして期待される熱核融合反応を利用した発電研究の現状も紹介。


はじめに

 『宇宙プラズマ物理学』と題した本書は,その内容から了解いただけるように,この方面の研究をすすめるに当たって,必要不可欠な広い範囲にわたっている.
 その範囲は,地球大気の上層,100km辺りから,そのさらに上層に広がる大気が電離(イオン化)されているいわゆる電離層,その外側に広がる地球からの磁場が,プラズマや荷電粒子の運動に強く影響を及ぼしている地球磁気圏,さらにその外側には,太陽大気の外延を形成するコロナ・ガスが,太陽風と呼ばれる超音速の流れとなって太陽系の空間中を,膨張していき,最終的には,天の川銀河空間に広がるプラズマと磁場と出会って,せきとめられ,太陽圏(Heliosphere)と呼ばれる広大な領域を形成している.その太陽圏の大きさは,太陽が向かう方向では,およそ100天文単位(1天文単位:A.U.は太陽・地球間の距離でほぼ1億5000万km),その反対側は,この距離の2倍ほど遠くまで広がっている.
 天の川銀河空間にも,電離(イオン化)した気体であるプラズマが存在し,そこには,いわゆる銀河磁場が,おおよそアームに沿って広がっており,この領域も当然,宇宙プラズマ物理学の研究領域となっているというわけである.
 本書の長さは,この領域の広さと比して,手に取ってみればおわかりのように,あまり厚くはないが,その長さは,「文献解題」の項に示してあるスピッツァー(L. Spitzer)とカウリング(T.G. Cowling)が,それぞれ著した2つの本と,大体同程度である.これだけの長さの中に,宇宙空間にあまねく存在するプラズマの物理学的な研究に必要にして十分といってよい必須の事柄が,記述されているのである.
 本書には,著者の最も大切だと考えていることの全てが,大部の書物ではないが,含まれているので,基礎的な勉強をすすめるに当たっては,十分にその役割を果たしてくれるであろう.このような目的の下に,本書が作られているのである。

プロローグ
第1章 宇宙空間のプラズマ
太陽と太陽風/地球の外圏─磁気圏の形成/星間空間のプラズマ
第2章 単一荷電粒子と電磁場との相互作用/運動学(Kinematics)/地球磁場内の荷電粒子/案内中心(Guiding Center)による取り扱い/(a)ドリフト運動とラーモア運動/(b)案内中心(guiding center)からみた荷電粒子の運動/(c)慣性運動によるドリフト/(d)断熱不変量(adiabatic invariant)の概念/電磁放射
第3章 プラズマ─荷電粒子の集団的取り扱い
一般的な性質/プラズマの挙動と電磁場/輸送現象
第4章 磁化プラズマの挙動
アルフヴェンの定理/カウリングの定理/フェラーロの定理/ダイナモ作用─天体磁場の起源/磁化プラズマの安定性/力が働かない(force-free)磁場
第5章 荷電粒子の加速過程
運動する磁場内の荷電粒子//フェルミ加速機構/時間変化する磁場内の荷電粒子/磁気衝撃波による加速/プラズマ加熱
第6章 プラズマ内の波動現象
分散関係と磁化プラズマ/プラズマ振動と静電波(Electrostatic Wave)電磁流体波と磁気音波/荷電粒子と波動との相互作用/プラズマからの電磁放射
エピローグ─宇宙プラズマ物理学が目指すこと
あとがきに代えて─太陽活動にみられる最近の状況について

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