太陽へのたび

現在・過去・未来―アインシュタインシリーズ3

太陽へのたび

あらゆる角度から太陽の全貌を解き明かす

著者 川上 新吾
ジャンル 天文学 > アインシュタインシリーズ
シリーズ アインシュタインシリーズ
出版年月日 2013/04/20
ISBN 9784769910466
判型・ページ数 A5・208ページ
定価 本体3,300円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

太陽は地球から最も近くにあり、表面の様子を詳しく観測できる恒星である。本書は、太陽と地球との関わり、太陽研究前史にふれ、さらに太陽研究の基礎から観測衛星「ひので」の最新知見を盛り込みながら、太陽の内部構造、太陽表面で起こっている様々なダイナミックな現象まで、あらゆる角度からその全貌を解き明かす。

本書において記述に誤りがございました。深くお詫び申し上げます。以下の正誤表をご確認のうえ、ご利用いただきますようお願いいたします。

「太陽へのたび」正誤表(PDF)


はじめに

 太陽の話をするときには,まずこの写真を見ていただくことにしている.京都大学理学研究科附属飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡(DST)と空にかかる虹である.理由はDST が世界屈指の太陽望遠鏡であり,虹が太陽の謎を解き明かすためのひとつの手法に通じる現象だからである.太陽の観測には虹を用いることが多い,といっても雨上がりに見られる虹ではない.天然の虹は太陽に背を向けると見えるが,太陽研究者は望遠鏡を太陽に向けて虹をつくって調べる.DST は世界一美しい虹をつくる装置といっても言い過ぎではないだろう.その人工の虹には太陽のさまざまな情報が含まれている.
 太陽は最も近くにあって,表面の様子を詳しく観測することができる恒星であるとよく言われる.おかげで,太陽で起こる多種多様な現象はとても覚えきれないほどだが,見るだけでもわくわくする.また詳しく見えるということは,理論やシミュレーションとの突き合わせができるということで,これらがうまくつながって太陽の研究は進んできた.その結果,太陽現象の大部分は「磁場」と「プラズマ」というキーワードによって統一的に理解されている.
 本書では主に観測的な側面から太陽を紹介する.高校生以上なら理解できると期待したい.スパイスのつもりで数式が少し入っているが読み飛ばしてもかまわないし,読む順序もあまり気にせず口にあいそうなところをつまみ食いしてもよい.それぞれ好みに応じて太陽へのたびを楽しんでいただきたい.

はじめに
CHAPTER1 身近な太陽
1.1 日の出入りを見てみよう
1.2 太陽のみかけの動きとエネルギー
1.3 太陽円盤
1.4 日食
1.5 ここにも太陽の影響

CHAPTER2 太陽研究前史
2.1 有翼日輪
2.2 太陽のカラス
● COLUMN1 ● これから見られる日食

CHAPTER3 太陽と地球
3.1 太陽と私たち
3.2 太陽の温度
3.3 太陽は気体
3.4 周辺ほど暗く見える太陽
3.5 不透明だとありがたい?
3.6 地球以外はプラズマだらけ
3.7 地球から見える太陽の大気構造
3.8 星としての太陽

CHAPTER4 太陽の内部
4.1 ガス球理論
4.2 太陽のエネルギー源
4.3 ニュートリノ問題
4.4 エネルギー輸送
4.5 自転とダイナモ
4.6 大規模な速度場-超粒状斑
4.7 5 分振動と内部構造
4.8 宇宙での内部診断
● COLUMN2 ● ドップラー効果

CHAPTER5 太陽の表面
5.1 太陽スペクトル
5.2 フラウンホーファー線
5.3 キルヒホッフの法則
5.4 太陽の元素・ヘリウムの発見
5.5 吸収線の形成
5.6 水素原子のスペクトル
5.7 エネルギーと放射の関係
5.8 光球と周辺減光

CHAPTER 6 太陽表面磁場
6.1 黒点の発見
6.2 黒点の現れ方
6.3 黒点の構造と進化
6.4 黒点はへこんでいる
6.5 黒点の温度とスペクトル
6.6 スペクトロヘリオグラフ
6.7 太陽磁場の発見
6.8 黒点の成因
6.9 黒点の磁場構造
6.10 半暗部をめぐって
6.11 白斑とは
6.12 白斑のモデル
6.13 G バンド輝点
6.14 短命磁場領域
6.15 太陽観測衛星「ひので」
6.16 太陽磁場に関する新たな知見
● COLUMN3 ● ゼーマン効果

CHAPTER7 彩層とプロミネンス
7.1 フラッシュスペクトル
7.2 見通しが悪いと上が見える
7.3 リオフィルター
7.4 磁場とガスがせめぎ合う大気
7.5 スピキュール
7.6 遷移領域
7.7 プロミネンス
7.8 プロミネンスのスペクトル
7.9 プロミネンスをささえるもの
7.10 プロミネンスの形成と消失
● COLUMN4 ● 私が使った太陽望遠鏡(その1)

CHAPTER8 コロナ
8.1 未知元素・コロニウム
8.2 コロナグラフの発明
8.3 コロナは超高温か?
8.4 コロナは超高温!
8.5 コロナの100万Kの意味
8.6 コロナを熱くする-磁気流体波仮説
8.7 コロナを熱くする-音波衝撃波仮説
8.8 不均一なコロナの構造
8.9 磁気流体波仮説の復活
8.10 小規模フレア説
8.11 加熱ポイントはどこに
● COLUMN5 ● 私が使った太陽望遠鏡(その2)

CHAPTER9 フレア
9.1 フレアの発見
9.2 スペクトロヘリオスコープ
9.3 Hαによるフレア観測
9.4 フレアのスペクトルとガス運動
9.5 フレアに伴う磁場の変化
9.6 磁気エネルギー解放
9.7 フレアの古典的モデル
9.8 リコネクションモデル
9.9 太陽X 線観測衛星「ようこう」
9.10 インパルシブフレアと長寿命フレア
9.11 リコネクションの現場確認
9.12 インパルシブフレア
9.13 X線ジェットの発見
9.14 電波で観測されるフレア
● COLUMN6 ● 私が使った太陽望遠鏡(その3)

CHAPTER10 太陽風
10.1 彗星の尾
10.2 コロナの広がり
10.3 流れ出すコロナ
10.4 惑星間磁場
10.5 高速太陽風とコロナホール
10.6 太陽の極地探検
10.7 太陽圏界面

CHAPTER11 太陽からやってくるもの
11.1 変化する太陽定数
11.2 太陽は変光星か?
11.3 太陽磁場が関与する?
11.4 太陽の長期的活動と地球
11.5 太陽の過去をさらに明らかに
11.6 CME とシグモイド
11.7 地球磁気圏とオーロラ
11.8 宇宙天気予報

CHAPTER12 これからの太陽

付録 太陽物理学歴史年表
参考文献
あとがき

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