イワシ

意外と知らないほんとの姿―もっと知りたい!海の生きものシリーズ4

イワシ

変動するイワシ資源と漁業の関わりを解説。

著者 渡邊 良朗
ジャンル 海洋生物学 > もっと知りたい!海の生きものシリーズ
シリーズ もっと知りたい!海の生きものシリーズ
出版年月日 2012/11/30
ISBN 9784769912903
判型・ページ数 A5・112ページ
定価 本体2,400円+税
在庫 在庫あり

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シラスに煮干し、ちりめんじゃこ…これらはみんなイワシだ。でもイワシは1種類ではなく、世界中に様々な仲間がいる。人間の食生活と深い関係をもつイワシだが、その資源量は海や気候の影響に大きく左右され、他の魚たちとの関係でも変動することが最近わかってきた。変動の謎に迫るとともに今後の漁業のありかたを考える。(中学生以上向け)


はじめに

イワシ類とはどんな魚
 日本では、どこに行っても一年中魚屋にイワシが並んでいる。スーパーでも鮮魚コーナーでは氷水のなかに生のイワシが散らばり、干物売場には目刺しが整列し、シラス干しは山積みになっている。料理のだしをとる「いりこ」や「煮干し」などの乾物も袋入りになって棚に並ぶ。これらはみんなイワシの仲間だ。
 日本のどの地方でも海で漁獲されたイワシが水揚げされて魚市場に並んでいる。北日本での水揚げが夏から秋に集中するのに対して、西日本では一年を通してイワシ類の水揚げが続く。また、関東から九州の太平洋沿岸では、真冬を除いてほぼ一年中イワシ類の子どもであるシラスが魚市場をにぎわせる。
 このように私たちの身のまわりにはイワシがいっぱいである。イワシがいない食生活は考えられない。注意深い読者は、イワシが実は1種類ではないことに気づいているだろう。私たちの食卓に上るイワシの仲間にはどんな種類がいるのだろうか。
 魚屋に並んでいる生のイワシを見てみよう。体長が15~23 cmほどで、背から腹までの幅(体高という)がやや広く、体の横(体側)の面から見るとサヤエンドウのような形をして、やや緑がかって見えるのはマイワシだ(図0-1)。このマイワシと比べると体長が十数cmと小さく、体高が低いので短いインゲン豆のような形をしており、茶色っぽい色に見えるのがカタクチイワシだ(図0-2)。カタクチイワシの下あごは短くて、上あごより引っこんでいる。カタクチイワシという名前は上あごが目立つ「片口いわし」のことである。そしてマイワシとカタクチイワシの中間の体形で、目が大きくうるんで見えるのがウルメイワシである(図0-3)。ウルメイワシは西日本でたくさん水揚げされるが、北海道や東北地方では漁獲されない。マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシの3種類が、日本でまとまって漁獲されるイワシ類である。丸のまま、缶詰や干物として、あるいはいろいろな料理のだしとなって私たちの食卓に上る。
 (中略)
 日本の漁船によって水揚げされる魚類の量は、近年では全部合計して約350万トンで、イワシ類はこのうちの15%ほどを占めている。1980年代には今の3倍近い約1000万トンの魚類が漁獲され、そのうちの40%以上がイワシ類だった。私たちの生活になじみが深いイワシ類は日本人にとって大切な食料資源であることがわかる。世界の海では2009年に魚類が6670万トン水揚げされて、そのうちの30%がイワシ類であった。世界の海でもイワシ類は重要な資源として大量に利用されている。そんなイワシ類の生態や資源の増減、そして人間とイワシ資源とのかかわりを、詳しく見ていくことにしよう。

第1章 イワシは出世魚 /第2章 イワシの生活/第3章 イワシの生活史を記録する耳石/第4章 世界のイワシ類/第5章 大変動するイワシ資源/第6章 イワシは地球の一部 /第7章 魚種交替現象/第8章 漁業と養殖業/第9章 生物資源と人間

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