医用X線装置発達史

医用X線装置発達史

X線装置の発達を貴重な写真を多数配し解説

著者 青柳 泰司
ジャンル 科学一般 > 科学史
出版年月日 2001/04/10
ISBN 9784769909361
判型・ページ数 A5・350ページ
定価 本体5,500円+税
在庫 在庫あり

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「レントゲンとX線の発見」の続巻。X線装置の発達を貴重な写真を多数配し解説する。単に装置の紹介ではなく,装置開発の中で生み出された事故・問題点をいかに克服してきたのかが述べられた極めて貴重な資料。歴史を振り返ることは,未来への報告を示唆してくれる。技術史研究家・放射線技師の必携書。


はじめに

 本書はさきに出版した拙著『レントゲンと X 線の発見』の続編としてまとめたものである.

 19 世紀末から今世紀初頭にかけては X 線の発見を始め,多くの科学文明が花開いた時代であった.ライト兄弟による飛行機の発明,フォードの自動車大量生産による普及,交流電力の長距離送電による電気事業の発展,そして X 線の発見と同じ頃,マルコニーによる無線電信の実用化等である.これも当時の人々にとっては信じられないことで,電線もないのに何故電気が数千 km も遠くまで届くのか不思議なことであった.

 飛行機が発明(1903 年)されてからおよそ 100 年である.現在では,東京からヨーロッパの主要都市まで 12 時間で行けるようになった.マルコニーの無線電信は音声を変調することにより無線電話となり,これがラジオ放送に発達することになる.さらにこれに映像がついてテレビジョンとなった.光学カメラも今やデジタルカメラに変わり,現像処理の必要はなくなりつつある.

 医用 X 線装置は ms の単位で撮影が可能となり,デジタル画像処理により目的に合った画像構成が可能となった.コンピュータの進歩は膨大な計算処理を可能にし,X線 CT が開発される.このような現実を 20 世紀初頭の人々はとても予想できなかったと思われる.しかしこれらは簡単にでき上がった訳ではなく,多くの分野の科学技術の積み重ねによって完成したものである.

 このようなことから X 線装置について発見の創成期から 1 世紀後の今日までの進歩,発達の経緯を知ることは 21 世紀への示唆を与えてくれるものと信じている.

 本書では次のように記述した.

 第 1 章 1895 年から 1910 年頃まで:まだ X 線の物理学,生物学的性質も解明されていない創成期における試行錯誤について述べる.

  第 2 章 1910~1930 年頃まで:X 線の物理学,生物学的性質がほぼ解明され,X 線の医学への応用が本格的に普及した時代で,X 線装置の基本形ができ上がった.

  第 3 章 1930~1950 年頃まで:この時代に防電撃,防 X 線装置が実用化し,安全性を配慮した装置が完成する.

  第 4 章 1950~1980 年頃まで:X 線装置発達史の後半である.第 2 次大戦後の混乱期を経て技術革新時代に入る.コンデンサ式装置の普及,計測技術の進歩,装置の大容量化,三相装置の普及,CT 装置の開発,デジタル技術の導入等について述べる.

  第 5 章 1980~2000 年頃まで:三相大容量装置までインバータ化される.これにより電源から X 線管までの電子制御が可能となった.X 線創成期から約 1 世紀を経てここに主回路の完全電子制御装置が誕生した.

 本来,医用 X 線装置発達史としては X 線発生装置のみでなく,映像装置を含めた関連機器についても記述すべきであるが,現在これらは多様化しているので,いずれ機会を見てそれぞれの専門家に分担執筆を依頼し,より充実した医用 X 線装置発達史にしたいと念じている次第である.

第 1 章 ガス X 線管,誘導コイル時代(1895~1910 年頃) (1.1 X 線の発見 1.2 初期の X 線装置 1.3 X 線装置の実用性 1.4 医学への応用) 第 2 章 変圧器式装置,熱電子X線管実用化時代(1910~1930年頃) (2.1 変圧器式高電圧装置の実用化 2.2 熱電子式 X 線管の開発 2.3 電気的整流装置の実用化 2.4 単相全波整流装置の普及) 第 3 章 防 X 線・防電撃装置実用化時代(1930~1950 年頃) (3.1 防 X 線装置の実用化 3.2 防電撃装置の実用化 3.3 三相 X 線装置の開発 3.4 コンデンサ式 X 線装置の開発) 第 4 章 高出力,制御技術高度化時代(1950~1980 年頃)( 4.1 コンデンサ式装置の実用化 4.2 回転陽極 X 線管の実用化 4.3 X 線装置の計測技術 4.4 X 線装置定格の増大 4.5 三相 X 線装置の普及  4.6 X 線画像処理技術の発展) 第 5 章 大電力電子制御実用化時代(1980~2000 年頃)( 5.1 インバータ式装置の実用化 5.2 共振形インバータ方式 5.3 方形波インバータ方式 5.4 インバータ式装置の特性 5.5 インバータ式装置集約) 第 6 章 おわりに

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