フジツボ類の最新学

知られざる固着性甲殻類と人とのかかわり

フジツボ類の最新学

生態並びに画期的な利用に関する研究を紹介

著者 山口 寿之 編著
平野 禮次郎
加戸 隆介
ジャンル 海洋生物学 > 生物学一般
出版年月日 2006/02/16
ISBN 9784769910336
判型・ページ数 A5・410ページ
定価 本体6,800円+税
在庫 在庫あり

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本書は(1)フジツボ類の分類、生態、付着機構に関する最新の情報(2)環境保全を考えたフジツボの付着を防ぐ最新研究(3)新食材、生理活性物質としての利用、コンクリート耐久生向上への利用などの新規利用研究(4)自然教育の教材としてのフジツボの有用性など、フジツボ類に関するあらゆる最新情報を掲載。フジツボに関心のある方、船舶・港湾・建築関係者など多くの方にご利用いただけると思います。 フジツボのカラー写真多数掲載


はじめに

 一般の人々が成体の外部形態だけを見た場合には,フジツボ類がエビ・カニ類と同じ甲殻類に属する動物であるとはとても思わないであろう.しかし,その浮遊幼生期の形態・生態は,まぎれもなく典型的な甲殻類のそれであると言っても過言ではない.
 フジツボ類は,以前から船底・海中構造物や漁網に付着する有害な汚損動物としてよく知られており,その防除対策は古くかつ新しい問題である.特に最近では船底および漁網用防汚剤として広く利用されてきたTBTO(トリブチルスズオキシッド)の使用が禁止されたこともあり,環境にやさしい防汚塗料の開発や新しい視点に立った防除対策の確立が強く望まれている状況にある.
 一方,現在までのところ東北地方など一部の地区に限られてはいるが,フジツボ類は珍味として既に貴重な食品となっており,その評価は徐々に高まりつつある.またフジツボ類が有している,いわゆる水中接着物質や生理活性物質は,近い将来人間生活にとって極めて密接かつ有用な物質の1つになり得ると考えられており,その解明が進んで実用化への道が開かれることが期待されている.
 フジツボ類は,その生活史・浮遊幼生の生態・付着機構・個体群ならびに群集の動態など多くの点で,他の海洋生物とも問題点を共有していると考えられる.同時にフジツボ類は飼育技術が確立されていること,実験動物としてまた野外における採集・調査などの点で比較的取扱い易いことなどから,研究および教育用対象生物としては,他の海洋生物と比較して有利な面を少なからず有していると考えられる.
 本書の刊行を機に,わが国におけるフジツボの研究ひいては付着生物研究がより一層進展し,海洋生物学の進歩に大きく貢献することを心から願うものである.

(1)フジツボの生物学 1.フジツボ類分類の基礎(山口寿之) 2.日本のイワフジツボ類とその分類(久恒義之・山口寿之) 3.フジツボ類の生態,分布と季節的な変化,特に日本と香港の潮間帯を比較して(陳國勤)4.キタアメリカフジツボ-北米からきて北日本の潮間帯を席巻した新しい移入種(加戸隆介)5.フジツボの生活史と初期生態-どんな生活をして、付着場所までたどり着くのか(加戸隆介)6.内湾護岸壁におけるフジツボ類の空間競争(森 敬介)7.フジツボの繁殖生態(岩城俊昭)8.キプリス幼生の付着機構1-幼生はどのように付着場所を選択するか?(松村清隆) 9.キプリス幼生の付着機構2-幼生セメント分泌のしくみと幼生セメントの構造(岡野桂樹)10.フジツボ成体の接着(紙野 圭)(2)有害生物としての側面 11.発電所とフジツボ(山下桂司・神谷亨子)12.フジツボに対する付着阻害物質の探索方法および利用検討(北野克和・野方靖行)13.フジツボと新規防汚塗料-付着生物でフジツボを防ぐ(川又 睦)14.フジツボと電気化学(川辺允志)(3).有用生物としての側面 15.新食材としてのフジツボ養殖生産の試み(押野明夫)16.生理活性物質の資源としての利用(村本光二・松原裕樹・小川智久・神谷久男) 17.フジツボによるコンクリート構造物の耐久性向上-フジツボがコンクリートを守る(濱田秀則)18.自然教育の教材としての魅力-フジツボと友達になろう(林 公義)(4)資 料 19.フジツボ類の分類および鑑定の手引き(山口寿之・久恒義之)

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