測り方の科学史 I

地球から宇宙へ

測り方の科学史 I

地球や月の大きさを先人はいかに測ったのか

著者 西條 敏美
ジャンル 科学一般 > 科学史
出版年月日 2011/11/21
ISBN 9784769912637
判型・ページ数 A5・152ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり

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宇宙空間に漂う、人間が手に取ることの出来ない天体の大きさ、そして地球からの距離を先人たちはどのように測定したのだろうか。そして精度はどのようにして上げられていったのか。授業では決して教わることのない先人の工夫と知恵をわかりやすく紹介。人間の叡智の営みを振り返る教養科学史読み物。


はじめに

古代ギリシャの哲学者プロタゴラスは、「人間は万物の尺度である」と言ったという。人間は、絶え間なく流転してとどまることを知らない大自然の神秘を解き明かし、これまでに多くの知識を獲得してきた。それは宇宙から素粒子にいたる悠久の自然の知識といえよう。
 しかし、その知識はあくまで人間が、人間の眼を通して手に入れてきた知識である。知識の基準となるものは、人間を尺度としたものであることをまぬがれない。ものの長さや質量、あるいはそのうつろいを表す時間には、それぞれメートル(記号m)、キログラム(記号kg)、秒(記号s)などの単位が用いられるが、これらはみな人間を尺度としている。1メートルは手を軽く広げた程度の長さであり、1キログラムも人間の手で軽く持てる程度の重さである。1秒も人間の心拍数と大体一致するとみればよい。
 かよわい人間であるが、これまでに多くの知識を手に入れ、人類共通の知的財産を築き上げてきた。
 学校教育においては、これらの膨大な知識を要領よく伝達しなければならないために、知識の結論部分の詰め込み方式になってしまう。科学と技術に携わる人でも、いろいろな測定器が開発されて、瞬時に必要な知識を得ることができるようになったが、その意味がわかりにくくなってしまった。その結果、現代人は多くの結果としての知識はよく知っているが、それがどのようにして得られた知識なのか、理解していないことが多くなった。知識が実感の伴わない無味乾燥なものになった。
 たとえば、地球は球形をしていて、周囲4万km、その年令は46億年、月までの平均距離は36万km、太陽までの平均距離は1億5,000万kmなどということをよく知っている。あるいは、原子の大きさは1億分の1cm程度であることなども、よく知っている。
 しかし一方で、人間がこれらの知識を持つにいたったのは、実にたいへんなことのように思える。人間の身長はたかだか1mほどである。その人間が、地球から空間を隔てて、自分の身長の1,500億倍もある太陽までの距離を測定し、100億分の1しかない原子の大きさの測定に成功しているのだ。いまや宇宙の果てまの距離や、原子よりはるかに小さい素粒子の大きさまで、その値が求められている。
 実感の伴わなくなったこれらの知識がどのような方法で得られたのか、その測り方、それも先端的方法よりもその研究が行なわれた初期の方法を重視しながら、知の探検に出かけてみたい。

第1章 地球  1.地球の形とその大きさの測り方 2.地球の質量の測り方 3.地球の年齢の測り方 4.地球の核の大きさの測り方 第2章 月 1.月までの距離とその大きさの測り方 第3章 太陽 1.太陽までの距離の測り方 2.太陽の質量の測り方 3.太陽の表面温度の測り方 第4章 恒星 1.恒星および銀河までの距離の測り方 2.恒星の大きさの測り方 3.恒星の質量の測り方 4.恒星の年齢の測り方 第5章 宇宙 1.宇宙の大きさの測り方 2.宇宙の年齢の測り方

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