水族館と海の生き物たち

水族館と海の生き物たち

大学生向けに水族館や水生動物について解説

著者 杉田 治男 編著
塚本 勝巳
秋山 信彦
ジャンル 海洋生物学 > 生物学一般
出版年月日 2014/04/01
ISBN 9784769914709
判型・ページ数 A5・216ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

大学で学ぶ水族館の本。研究者、水族館員など23人が、それぞれの研究、経験を生かし、若い方に水族館、ならびにそこで飼育されている水生動物について、生理生態から飼育技術までをわかりやすく解説。


はじめに

 多くの人々を魅了して止まない水族館.その発祥は,英国ロンドン動物園内に1853 年に開設されたFish House とされている.当初は,台の上に置いた小さな水槽で水生生物を見せる程度の施設であったが,やがて循環濾過装置が考案され,海水を頻繁に交換することなく水質を維持できるようになった.また,熱交換器や殺菌装置などの環境調節装置や大型アクリルガラスの製造技術の発達などにより,現在の水族館では,比較的安定して多くの水生生物を飼うことができる.さらに,飼うことが難しい生物の飼育・繁殖に果敢に挑み,自然の営みを水槽内で再現させるなどの飼育員のたゆまぬ努力が実り,飼育展示が可能な生物も年々増加傾向にある.Fish House 開設から約160 年経った現在,われわれは水族館で,体長8 m を超えるジンベイザメや深海の生物をガラス越しに見ることができるようになった.
 近年,水族館の施設は急速に変貌を遂げてきたが,その役割も同様に多様化してきた.わが国の水族館は,比較的長い間,単に珍しいあるいは美しい生き物を見たり,海獣類の曲芸などを楽しんだりするリクリエーションの場であった.しかしながら最近では,絶滅危惧種や希少種など水生生物の繁殖・保護の場として,あるいは水生生物の展示を通じて海洋環境や生物多様性の大切さを学ぶ社会教育の場としての役割も求められるようになった.さらに,飼育員によって実施される生物研究も多くの成果をあげており,水族館の重要な役割となりつつある.これらの活動に触れることで,毎年,多くの若者が水族館飼育員になることを夢見て海洋生物系あるいは水産系の学部・学科に入学している.
 このような多様なニーズに応えるため,水族館の飼育員には多くの知識や経験が求められているが,幅広い知識が得られる成書が少ないのが教育現場の悩みであった.本書は,水族館の飼育員・学芸員を目指す学生諸君の教科書・参考書として,あるいは水族館や水生生物をより深く理解しようとする人々の啓蒙書として企画されたものであり,その一助となることを願って止まない.本書には多くの不十分な点もあろうが,読者諸賢からのご批判,ご意見を頂きながら,後日の改善に努力したいと考えている.
(後略)

第1部 水族館とは
1 章 水族館の歴史(堀田拓史)
2 章 水族館の役割と世界水族館会議(堀田拓史)
3 章 水族館と博物館(堀田拓史)
4 章 世界と日本の水族館(堀田拓史)
第2部 水族館の主役たち
5 章 無脊椎動物 (野口文隆)
6 章 魚 類 (山田一幸)
7 章 海獣類 (奥津健司)
8 章 海鳥類 (倉形邦弘)
第3部 水族館の生物学
9 章 海の生態系 (荒 功一・広海十朗)
10 章 無脊椎動物のしくみと生態 (中井静子)
11 章 魚類の形態と生態 (高井則之)
12 章 魚類のしくみ (朝比奈 潔)
13 章 魚類の行動
14 章 海獣・鳥類のしくみ (鈴木美和)
15 章 飼育下の海獣類における認知研究─「賢さ」を調べる(村山 司)
16 章 ウナギの生態と保全 (塚本勝巳)
17 章 海産生物の毒 (糸井史朗)
18 章  深海生物の不思議 (小糸智子)
第4部 水族館で生物を飼う
19 章 水族館の飼育技術(水族館での飼育と繁殖)
20 章 水族館の設備と水質管理 (谷村俊介)
21 章 水族館の衛生管理 (杉田治男)
22 章 魚病と治療 (間野伸宏・中坪俊之)

ご注文

2,800円+税

書店で購入

カートに入れる

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

同じジャンルの商品

おすすめ書籍

お知らせ

一覧