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通電加熱による水産食品の加熱と殺菌

水産学シリーズ178

通電加熱による水産食品の加熱と殺菌

日本発の食品加工技術「通電加熱」を紹介

著者 福田 裕 編著
今野 久仁彦 編著
岡崎 惠美子 編著
ジャンル 水産学 > 水産学シリーズ
食品学 > 食品化学・食品加工
オンデマンド
シリーズ 水産学シリーズ
出版年月日 2013/09/20
ISBN 9784769914617
判型・ページ数 A5・148ページ
定価 本体3,600円+税
在庫 オンデマンド制作

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食品加工の省エネ、省コスト、高品質化を目指す日本発の新技術「通電加熱」のすべてを紹介。形状が不揃いの食品に本技術を応用するための実用的研究成果を1冊に凝縮した本書は食品関係者必携の参考書。


はじめに

 通電加熱はジュール加熱とも呼ばれ,かまぼこの加熱のために1990年代に日本で実用化に成功し,練り製品産業で広く使われるようになった技術である.その後,魚肉すり身と同様に流動性があり電気的に均質な特性を有する味噌,チーズ,マヨネーズなどの加熱殺菌にも使われるようになり,我が国の食品産業の技術革新に貢献している.しかし,練り製品以外の水産加工産業への通電加熱技術の普及は非常に遅れており,普及の阻害要因は,水産食品は大きさや形状が不揃いで電気的処理が難しい,さらに組織が脆弱で壊れやすいものが多く連続的な機械処理が難しい,などの技術的な問題があげられる.これらの阻害要因は農産食品にも当てはまる問題でもある.
 食品の加熱方法には,外部加熱方式と内部加熱方式がある.一般に広く使われているのは対流伝熱,伝導伝熱,輻射伝熱を原理とする外部加熱方式であり,湯の中で煮る,蒸気で蒸す,火で焼くなどの方法があるが,いずれも食品の内部まで熱が伝わり全体が均一に温められるまでには相当の時間とエネルギーを必要とする.一方,内部加熱方式には通電加熱やマイクロ波加熱(電子レンジ)や通電加熱がある.
 通電加熱は,電気抵抗体である食品に電気を流すことで食品自体が自己発熱して加熱される仕組みであるため,外部加熱方式に比べ様々な優位性がある.例えば,①比較的短時間で表面部も内部も均一に加熱ができる,②基本的に水などの熱媒体を必要としないため美味しさ成分などが逃げない,排水処理経費も少なくて済む,③対流を必要としないため粘性の高い食品でも加熱殺菌が容易である,④電気エネルギーのほぼ100%が熱エネルギーに変換される,などである.このように通電加熱は省エネ,省コスト,高品質化,安心安全などに有効な,ポテンシャルの高い技術である.
 このポテンシャルの高い通電加熱を,ありとあらゆる水産食品・農産食品の製造業界でも利用できるよう,民間企業,地方公設試験研究所,大学が連携して基礎研究,技術開発,装置開発まで幅広く取り組み,実用的な成果を上げることができたので,その内容を紹介する.
 本書では,①通電加熱の将来展望,②世界で初めての装置開発,③通電加熱により初めて可能となった酵素制御,殺菌,ゲル化の新知見,④10以上の水産食品の品質と安全性の向上に応用された通電加熱技術,などが紹介されている.水産物および農産物に関連する食品企業,食品研究機関,大学,行政機関などで,これらの内容を活用していただき,食品に関わる科学振興の振興と技術の革新に役立てていただくことを期待する
. 本書の内容は農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業・通電加熱技術の導入による水産食品の加熱及び殺菌技術の高度化(21~23年度)」の成果に負うところが多く,ここに記して感謝申しあげる.

1章 通電加熱の現状と今後の可能性
2章 水産食品用通電加熱装置の開発
3章 通電加熱による魚肉すり身のゲル化
4章 イカ肉の加熱ゲル形成を可能にする通電加熱によるプロテアーゼ失活
5章 イカ肉の通電特性と加工品の品質向上
6章 通電加熱を用いた乾燥ナマコおよびサケ塩干品の製造技術開発
7章 通電加熱によるイクラ・ウニの品質向上
8章 通電加熱によるカツオ煮熟時間の短縮
9章 ちりめん・シラス加工における通電加熱の効果的な利用
10章 通電加熱殺菌による安全・安心な食品製造

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