科学論の展開

科学と呼ばれているのは何なのか?

科学論の展開

定評ある科学哲学の入門書。

著者 A.F.チャルマーズ
高田 紀代志
佐野 正博
ジャンル 科学一般 > 科学哲学
出版年月日 2013/04/10
ISBN 9784769913009
判型・ページ数 4-6・438ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

1976年の初版以来、科学哲学の入門書として定評ある原著。改訂新版(原著第3版)では、ベイズ主義の科学論、新実験主義、科学法則とは何かをめぐる議論、実在論と反実在論の論争などの新たな展開を加え、内容を大幅に改訂・増補した。また、訳者による解説や巻末索引を充実させテキストとしての利便性を高めた。


はじめに

改訂新版へのまえがき
 この版は以前の版に大きく手を入れたものである。元からの章で手の入っていない章はほんのわずかで、多くの章はまったく置き換えられた。新しい章もいくつか加わった。こうした変化は二つの理由から必然的であった。第一に、初版以来二十年にわたって科学哲学の入門コースにおける教育を行って来たが、その経験からそうした教育をよりよく行うにはどうすべきかを学んだ。第二に、入門教科書において解説すべき重要な発展が、この間に科学哲学においてあった。
 科学哲学において近年影響力をもつ学派の一つは、確率計算におけるベイズの定理の上に科学の説明を打ち立てようとしている。第二の潮流である「新しい実験主義」は、これまで以上に、科学における実験の本性と役割に注意を払うことに取り組んでいる。第十二章と第十三章でそれぞれ、これらの学派についての記述と評価を行っている。近年の研究、とりわけナンシー・カートライトの研究は、科学に特徴的な法則の本性についての重大な疑問をもたらした。そこで、この版ではこの問題についての一章を含めることになったし、おなじく、科学に対する解釈を巡る実在論と反実在論の激しい論争の水準に肩を並べるために一章を含めた。
 この本の題名となっている問いに対する究極的な答えに到達したと言うつもりはないけれども、現代の論争の水準に達しているようにつとめ、またあまり専門的にならない仕方でそこへと読者を誘うことにつとめた。各章の末尾にはこうした問題をより深く追求したい人々にとって有用で新たな現代的な出発点になるように「さらに学ぶための本」を示してある。
 この本をどのように改善するかを教えてくれた学生や同僚すべての名前を挙げたりはしない。一九九七年六月にシドニーで開催した国際シンポジウム「科学と呼ばれているのは何か?
二十年を経て」において多くのことを学んだ。このシンポジウムに支援をいただいたクイーンズランド大学、オープンユニバーシティー出版、ハケット出版、そして、このシンポジウムに参加し報告集に寄稿してくれた同僚や友人たちに感謝する。この催しが私の意欲を大きく高め、本文を書き直すことになる大きな仕事に取り組む誘因となった。書き直しの多くは、マサチューセッツ工科大学ディブナー科学技術史研究所の研究員として過ごした時期に行われたことに感謝する。この集中的な仕事の助けになり、支えとなる環境として、これ以上の環境を望むことはできない。原稿を注意深く読んで有益なコメントを加えてくれたハソック・チャンに感謝する。
 表紙の猫が何でにやりと笑っているのかわからなくなってしまったが、相変わらず賛意を示して、元気づけてくれているように思われる。

序 章
第一章 経験事実から導き出された知識としての科学
第二章 実践的な介入としての観察
第三章 実験
第四章 事実から理論を導き出す―帰納
第五章 反証主義の導入
第六章 洗練された反証主義、新しい事実の予言と科学の成長
第七章 反証主義の限界
第八章 構造としての理論 Ⅰ:クーンのパラダイム
第九章 構造としての理論 Ⅱ:研究プログラム
第十章 ファイヤアーベントのアナーキズム的科学論
第十一章 方法における方法的変化
第十二章 ベイズ主義的アプローチ
第十三章 新しい実験主義
第十四章 世界はなぜ法則に従うべきなのか?
第十五章 実在論と反実在論
第十六章 エピローグ
さらに進んで読む本
索引(事項・人名)、参考文献

ご注文

2,700円+税

書店で購入

カートに入れる

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

同じジャンルの商品

おすすめ書籍

お知らせ

一覧