彗星の科学

知る・撮る・探る

彗星の科学

日本で唯一の彗星のための教科書。

著者 鈴木 文二
秋澤 宏樹
菅原 賢
ジャンル 天文学 > はじめての天文学
出版年月日 2013/09/15
ISBN 9784769914631
判型・ページ数 B5・152ページ
定価 本体2,600円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

初学者のための「1章 天文学入門」を端緒に、「2章 彗星を知る」で、その組成、観測史など教養として知っておきたい彗星の実像を紹介。「3章 彗星を撮る」は、デジタルカメラやソフトウェアによる彗星の撮影方法を解説。「4章 彗星を探る」では、さらに学術的に深くアプローチ。彗星の全てが網羅された教科書。


はじめに

 もっとも古いハレー彗星の伝承が残っているのは,紀元前11 世紀と言われている.天文の古記録が多い中国では,天界の異変を知ることが統治者の至上命令で行われていた.天界の異変は,地上に反映すると恐れられていたのである.なかでも彗星は,凶事をもたらすと考えられていた.ハレー彗星の文字による記録としては,紀元前240 年の出現が最古のものである.当時の始皇帝は,天界の凶事の予兆をはね返すように,強大な権力を広げていった.ところが,その後の漢王朝は,ハレー彗星出現後に滅亡している.記録には残っていないが,日本では紀元607 年のハレー彗星の接近は,聖徳太子の時代であった.平安時代には,陰陽師たちが,中国にならって天変地異の監視をしていたという.
 ヨーロッパでは,彗星を大気現象と考えていた時代が長く続いていた.やっと16 世紀になって,ティコ・ブラーエが観測によってこれをくつがえし,天体の1 つだということを証明した.そして18 世紀になって,エドモンド・ハレーが彗星を太陽系の一員だとし,彗星天文学がスタートしたのである.
 整然と運動する惑星,位置や輝きを変えることのない恒星に対して,彗星は特異な存在であった.長い尾をたなびかせた姿は,何かが起こるような驚異を与えたに違いない.そして今,彗星は太陽系の起源を知るために,貴重な天体であることから,歓迎すべき放浪の天体になりつつある.46 億年前の氷とダストが,太陽に近づいて,華やかなショーを繰り広げるのだ.本書の内容は,宇宙と太陽系の歴史なかで彗星はどんな存在なのか,彗星を観測するにはどうしたらいいか,観測したら何がわかるのか,たいへん欲張ったものである.科学の眼で彗星を捉えながら,彗星と人間との歴史に思いをはせるのも,現代人の楽しみ方である.

〈第1章〉天文学入門
 口絵:大彗星ベスト10
 彗星Q&A
 1.宇宙の始まりと恒星の進化
 2.太陽系の形成
 3. 彗星の誕生
 4.天球と座標
 5.明るさとスペクトル

〈第2章〉彗星を知る
 1.彗星の組成
 2.彗星は大きいか
 3.彗星を作ろう
 4.彗星と生命
 5.彗星の軌道
 6.軌道模型を作る
 7.彗星を探す
 8.彗星とメシエ天体
 9.彗星の命名法
 10.彗星と流星群
 11.彗星と小惑星
 12.彗星の衝突
 13.彗星と異常増光
 14.探査機による彗星観測

〈第3章〉彗星を撮る
 1.観測準備①ソフトウェア
 2.観測準備②位置推算
 3.彗星を見よう
 4.コンデジで撮ろう
 5.一眼カメラによる撮影
 6.画像処理
 7.分光・偏光観測

〈第4章〉彗星を探る
 1.位置観測①簡易計測
 2.位置観測②精密計測
 3.光度観測
 4.コマの観測
 5.核近傍の観測
 6.彗星の尾①2種類の尾
 7.彗星の尾②プラズマテイル
 8.彗星の尾③ダストテイル
 9.彗星の尾④新しい尾の発見
 10.彗星観測のための標準星
 11.観測プランニング

ご注文

2,600円+税

書店で購入

カートに入れる

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

同じジャンルの商品

おすすめ書籍

お知らせ

一覧