生物資源解析のエッセンス

水産総合研究センター叢書

生物資源解析のエッセンス

生物資源を対象にしたデータ解析の手法の基本的な考え方、ポイントをわかりやすく対話形式で解説する

著者 赤嶺 達郎
ジャンル 水産学 > 資源・漁業
出版年月日 2016/02/22
ISBN 9784769915812
判型・ページ数 B5・126ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

生物資源を保護し持続的に利用していくために、資源データ解析は今日ますます重要になっている。本書では、生物資源を対象にしたデータ解析の手法の基本的な考え方、ポイントをわかりやすく対話形式で解説する。著者による数多くの講習会の経験にふまえて、十全に練られた内容。ベイズの定理とベイズ更新、ランダム・ウォークと対数正規分布、水産資源解析のエッセンス、計算数学の初歩、数理統計の基礎、など


まえがき

 この本は生物資源を対象としたデータ解析手法のポイントを解説したものです。ベイズ統計や確率分布について基本的な考え方を対話形式で紹介しています。最近、有名になったモンティ・ホール問題や、ペテルスブルグの賭などについても解説していますが、前半の主題は次の2つのパラドックスです。

(ソーバーのパラドックス)
 試行数n=20,成功数r=6の場合に成功率pについての帰無仮説「H0:p=0.5」を検定する。二項分布を用いるとr=0~6および14~20の確率は0.115となるから、α=0.05で棄却できない。一方、負の二項分布を用いるとn=20~∞となる確率は0.0319となるから、α=0.05で棄却できる。どちらが正しいか?

(平均値のパラドックス)
 1変数の資源変動モデルをN(t+1)=N(t)λ(t)と定義する。ここでNは資源尾数、λは成長率である。良い環境ではλ(t)=α=3.9で増加し、悪い環境ではλ(t)=β=0.1で減少する。このとき期待値は算術平均E=(α+β)/2=2であるから資源は増加する。しかし実際は幾何平均がG=√αβ=0.6245となるため資源は減少する。どちらが正しいか?

 どちらも生物資源のデータ解析における「初歩的な問題」ですが、正確に解答できる人は少ないのではないでしょうか。これらについて実例を踏まえて分かりやすく解説します。前者は二項分布と負の二項分布およびベータ分布に関係し、後者はランダム・ウォークと対数正規分布に関係するので、統計学や確率論の初歩で用いる数式が出てきます。
 そのため数理統計および確率計算に関する基礎的な重要事項を後半に解説しました。また実例として筆者の専門である水産資源について基本的な数理モデル、および資源評価手法についても解説しました。通常の教科書と違って、できるだけ「直観的」に理解できるように工夫したつもりです。この本に目を通すことによって、生物資源解析の基本的な考え方をマスターして、研究現場のデータ解析に活用されることを願っています。
(後略)

 

 

第1章 ベイズの定理とベイズ更新
 1・1 ベイズの定理
 1・2 ベイズ統計

第2章 ベイズ統計と負の二項分布
 2・1 二項分布
 2・2 負の二項分布とベイズ統計
 2・3 ソーバーのパラドックス
 2・4 ベータ分布
 2・5 HDRとPMP
 2・6 有限補正

第3章 ランダム・ウォークと対数正規分布
 3・1 対数正規分布
 3・2 ペテルスブルグの賭
 3・3 シミュレーション

第4章 水産資源解析のエッセンス
 4・1 成長モデル
 4・2 パラメータ推定と仮説検定
 4・3 再生産モデル
 4・4 生残モデル
 4・5 VPA
 4・6 現行方式の検討
 4・7 補足と実例

第5章 計算数学の初歩
 5・1 微積分の初歩
 5・2 指数関数と対数関数
 5・3 級数の初歩
 5・4 オイラーの公式
 5・5 微分方程式
 5・6 差分と和分
 5・7 線型代数
 5・8 行列式
 5・9 行 列
 5・10 自由度
 5・11 教科書

第6章 数理統計の基礎
 6・1 二項定理
 6・2 ポアソン分布
 6・3 標準正規分布
 6・4 二項分布の正規分布近似
 6・5 ガンマ関数とベータ関数
 6・6 球の表面積とカイ二乗分布
 6・7 ガンマ分布とベータ分布
 6・8 確率論とルベーグ積分
 6・9 ランダム・ウォークとブラウン運動

第7章 展望と補足
 7・1 数理モデルと統計モデル
 7・2 常用対数とルーレット定理
 7・3 その他

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