知っていますか?日本数学者ゆかりの地

日本数学の源流を訪ねて

知っていますか?日本数学者ゆかりの地

日本数学の源流を訪ねる科学歴史探訪記!

著者 西條 敏美
ジャンル 科学一般 > 科学史
出版年月日 2016/06/10
ISBN 9784769915850
判型・ページ数 4-6・236ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり

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日本の数学に貢献した、和算から洋算にいたる人物33名に焦点をあて、全国のゆかりの地を訪ね、人物像と業績を紹介する。好き嫌いが分かれる「数学」を文化として楽しむ科学歴史読み物。自分が住んでいる近くに数学者・科学者の足跡があることを知らないもので、郷土学習、自由研究、また旅のガイドとしても活用できる。姉妹本『知っていますか?西洋科学者ゆかりの地PARTI』『知っていますか?西洋科学者ゆかりの地PARTII』もオススメ!


はじめに

 江戸時代には、わが国独自の数学が花開いていた。関孝和の『発微算法』に象徴される高度な数学から、吉田光由の『塵劫記』に象徴される身近な数学まで、数学が広く根をおろし、庶民の間にも数学を楽しむ風土があった。掛け算、割り算の九九を暗誦し、そろばんを使って手早く計算した。問題が解けると、算額にして近くの神社仏閣に奉納もした。

 幕末・明治の時代を迎え、計算方法も理念も違う西洋の数学が入ってきた。その数学を洋算、伝統的なわが国の数学を和算といって区別されたが、和算の衰退とともに、数学といえば洋算を表すようになった。洋算の時代になっても、高木貞治、岡潔のように独自の境地を開拓する学者が多数輩出するようになったが、抽象化が進み、一般庶民から切り離されてしまった感がある。

 

 学校教育の場においても、数学は好き嫌いのはっきりした科目になってしまった。好きだという場合でも、多くの場合計算技術にだけ長けていることが多いし、嫌いだという場合には、頭から毛嫌いしていることが多い。数学を、和算から洋算まで広く楽しみたい、そんな気持ちが著者にはある。たとえば、数の概念がどのように拡張されていったかを古今東西比較して考えてみたり、身の回りの生活や自然のなかに、どのような数学が潜んでいるか探し出して考えてみたり、図形の問題を和算と洋算で解いてみたりと、楽しみ方はいくらでもあろう。

 しかし本書では、数学の中身には立ち入らない。和算から洋算にいたる人物に焦点を当てて、しかも、その人物の生家跡、記念館、石碑、銅像、墓などのゆかりの地を、現地写真とともに取り上げる。いわば日本の数学の源流を訪ねる旅の試みである。こんな楽しみ方も、数学を文化として裾野を広げるという意味で、あってよいのではないだろうか。そして、このことも大事な側面を持つと考えてよいのではないだろうか。

 北海道から九州まで、江戸初期から現代まで、三三人の日本の数学者の足跡をたどる旅への出立である。

 

まえがき
ゆかりの地の所在図
日本数学者 ゆかりの地
毛利 重能 ◎兵庫県西宮市熊野町(わが国最古の算学者『割算書』の著書)
吉田 光由 ◎京都市右京区嵯峨(数学の普及に貢献した『塵劫記』の著者)
関 孝和 ◎群馬県藤岡市藤岡/東京都新宿区弁天町(「算聖」と呼ばれる江戸期最大の数学者)
安島 直円 ◎東京都港区三田/山形県新庄市上西山(円理の研究を一新した『不朽算法』の著者)
藤田 貞資 ◎東京都新宿区須賀町(関流和算の入門書『精要算法』の著者
会田 安明 ◎東京都台東区浅草・港区芝公園/山形県山形市小荷駄町・十日町(最上流数学の創設者)
最上 徳内 ◎山形県村山市中央/東京都文京区向ケ丘(算学、天文・暦学を力に蝦夷地を探検した探検家)
石黒 信由 ◎富山県射水市(算学、天文・暦学の知識を背景に北陸の地図を作成した男)
日下 誠 ◎東京都台東区谷中(逸材を育てる才があった教育者)
千葉 胤秀 ◎岩手県一関市花泉町(『算法新書』の著者)
山口 和 ◎新潟県阿賀野市外城町(日本全国を遊歴した和算家)
剣持 章行 ◎千葉県旭市鏑木(関東一円を遊歴した和算家)
小出 長十郎 ◎徳島県徳島市寺町(算学、暦学、弾道学などの分野で先駆的業績を残した和算家)
福田 理軒 ◎東京都北区王子本町(『測量集成』『西算速知』を著した順天堂塾の創設者)
佐久間 庸軒 ◎福島県田村市船引町(最上流佐久間派算学を開いた先駆者)
阿部 有清 ◎徳島県徳島市寺町(天文・数学を究めたのち後進の育成に尽力)
杉 亨二 ◎長崎県長崎市立山/東京都豊島区駒込(日本近代統計学の祖)
柳 楢悦 ◎東京都港区南青山(日本数学会社を創設した測量家)
中村 六三郎 ◎長崎県長崎市立山/静岡県沼津市三芳町(海員教育に情熱を傾けた先駆者)
菊池 大麓 ◎東京都台東区谷中(西洋数学を日本に導入した科学行政家)
武田 丑太郎 ◎徳島県徳島市城南町・佐古(地方で数学教育に情熱を傾けた教育者)
狩野 亨吉 ◎秋田県大館市谷地町/東京都府中市多磨町(数学・科学史で業績を残した哲学者)
五十嵐 豊吉 ◎宮城県仙台市青葉区小松島(仙台数学院を創設した教育者)
林 鶴一 ◎徳島県徳島市万代町/宮城県仙台市青葉区北山(『東北数学雑誌』を創刊した最後の和算
三上 義夫 ◎広島県安芸高田市甲田町/同広島市中区中町(文化史上より日本の数学を研究)
高木 貞治 ◎岐阜県本巣市三橋/東京都府中市多摩町(高木類体論の建設)
小倉 金之助 ◎山形県酒田市中央西町・南新町(数学の社会性を明らかにした数学史家)
細川 藤右衛門 ◎高知県南国市緑ケ丘・十市(波動幾何学を研究した数学者)
岡 潔 ◎和歌山県橋本市柱本・御幸辻/奈良県奈良市白亳寺町(多変数複素関数論の創設)
桂田 芳枝 ◎北海道札幌市中央区南六条(数学で日本女性初の理学博士)
谷山 豊 ◎埼玉県加須市騎西(フェルマーの大定理を証明する「谷山・志村予想」を出した数学者)

日本数学者 紀行エッセー(付 追悼エッセー)
関 孝和/三上 義夫/小倉 金之助/岡 潔/桂田 芳枝/谷山 豊/下村 寅太郎/下平 和夫
あとがき
初出一覧
和洋数学史年表
日本数学者ゆかりの地 銅像・記念碑・墓碑等一覧
参考図書案内
人名索引
事項索引

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