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かまぼこの足形成(オンデマンド版)

魚介肉構成タンパク質と酵素の役割ー水産学シリーズ130

かまぼこの足形成(オンデマンド版)

ねり製品に不可欠な主要構成タンパク質

著者 藤井 建夫 編著
山中 英明 編著
塩見 一雄
関 伸夫
伊藤 慶明
日本水産学会
ジャンル 水産学 > 水産学シリーズ
食品学 > 食品化学・食品加工
食品学 > 食品衛生
シリーズ 水産学シリーズ
出版年月日 2016/10/20
ISBN 9784769915249
判型・ページ数 A5・134ページ
定価 本体3,600円+税
在庫 オンデマンド制作

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ねり製品特有の弾力性に富んだしなやかな食感に欠かせない主要構成タンパク質ミオシン・アクトミオシンの構造と役割。「坐り」「戻り」の研究成果。


はじめに

 かまぼこ,ちくわに代表されるねり製品はわが国の伝統的魚肉加工食品である.これらの製品には特有の弾力性に富んだしなやかな食感があり「足」と呼ばれている.「魚肉に食塩を添加して」,擂潰すると肉糊となり,これを加熱するとかまぼこゲルが形成される.1980 年代始めにこの「足」の素,すなわち加熱ゲル形成の主役は魚介肉の主要な構成タンパク質であるミオシンが担っていることが明らかにされた.その後「足」の実体であるミオシンやアクトミオシンによる網目構造の形成機構などの研究が進められ,最近では種々の魚介類ミオシンの一次構造の解明とともに,ミオシン分子内のドメインやサブフラグメントのゲル形成における役割が詳細に解析されるようになってきた.
 魚介肉を構成するミオシン以外のタンパク質もミオシンの加熱ゲル形成に参加し,かまぼこの「足」に魚種特異性を賦与するなどの重要な役割が明らかにされてきた.さらに,魚介肉のねり製品製造過程には畜肉のハム・ソーセージの製造工程にはみられない坐りと戻りという特有の現象があり,坐りは「足」を強化し,「戻りは脆弱化させる」ことが知られている.これらの現象の原因究明も進められた結果,坐りは魚介肉中に存在している酵素,トランスグルタミナーゼによるミオシンの架橋重合が深くかかわっていることが明らかにされた.一方,戻りにはプロテアーゼが関与しており,これらのプロテアーゼの特定,プロテアーゼ阻害剤の影響などが研究されている.
 魚介肉のゲル形成に関連する水産学シリーズとして,平成 3 年に「水産加工とタンパク質の変性制御」が刊行されているが,魚肉ねり製品に関して全般的なものは昭和 59 年の「魚肉ねり製品-研究と技術」以来刊行されていない.
 この間の魚介肉のゲル形成機構やゲル形成能に関する研究は上述のように飛躍的に進歩しており,その成果を纏めることは,水産食品学に携わるものとしての責務であり,すり身およびねり製品の製造技術の革新や,各種魚類の有効利用に寄与するものと考え,下記のシンポジウムを企画し,平成 13 年 4 月 5 日,日本大学生物資源科学部で日本水産学会の主催により開催した.
 本書は,このシンポジウムの講演内容に基づいてまとめたものであるが,紙面の制約もあり行き届かなかったところもあると思う.しかし,この分野における研究の進展状況を示すことができ,今後の研究に役立つことができれば幸である.
 最後に,本シンポジウムの開催と運営にご尽力をいただいた日本水産学会関係各位並びに座長,話題提供者,討論に参加いただいた諸氏にお礼申し上げる.

I. ミオシンの役割
1. ゲル形成能と網目構造 (伊藤慶明)
2. 肉糊の加熱中の構造変化とゲル形成(小川雅広・土屋隆英・中井秀了)
3. ミオシンの加熱による分子間相互作用(今野久仁彦)
4. ライトメロミオシンの構造とゲル形成能(尾島孝男・樋口  智之・西田清義)

II. ミオシン以外の筋肉構成タンパク質の役割
5. アクチンおよびその他筋原繊維タンパク質(土屋隆英・江原 司)
6. 筋形質タンパク質 (森岡克司)
7. コラーゲンの性状とゲル形成 (水田尚志)

III. 内在性酵素のゲル形成への関与
8. トランスグルタミナーゼ (関 伸夫・埜澤尚範)
9. 筋原線維結合型プロテアーゼ(原 研治・長富 潔・石原 忠)
10. 筋形質画分中のプロテアーゼインヒビター(野村 明)

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